ザック選手・DOUKI選手はタイチ選手の為に。
タイチ選手は飯塚選手の為に。
G.o.Dとのアイアンフィンガーを巡る激闘を制しました。
こんなにも仲間から愛された飯塚選手。
今回は「飯塚選手引退スペシャル」な記事を書きます。
飯塚高史というレスラー
正統派時代
北海道室蘭市出身の飯塚選手。
1985年に新日本プロレスに入門。
若手時代にグルジアに遠征し「サンボ」の修行。グラウンドのテクニックを磨きます。
第10代、第27代のIWGPタッグ王者。
2000年のG1タッグ優勝と成績を残しますが、橋本真也さん・武藤敬司選手・蝶野正洋選手・佐々木健介さんなど主役の多い新日本プロレスでは少し地味な印象でした。
実力は凄いんだけど、キャラがうすい。
このまま新日本プロレスのコーチとなり若手を育てるのかな?
というタイミングで事件が起こります。
天山選手をパートナーに、当時ヒールユニットの G.B.H と抗争。
真壁・矢野組との試合中にパートナーの天山選手を裏切り G.B.H に寝返ってしまいました!
正統派レスラー。教科書のようなベビーフェイスの飯塚選手がヒールとなった事に日本中が驚愕した事件です。
クレイジー坊主時代
天山選手を裏切り「クレイジー坊主」として活動した期間は11年。
やりたい放題の11年でした。
頭を丸め、反則三昧。
言葉を発することもなくなり「ウガ、ウガ」と叫びながらの入場。
噛みつく・椅子攻撃・チェーンで首を絞める・テレ朝の野上アナウンサーを襲撃する。
そして、アイアンフィンガーで地獄突きをかます日々でした。
本隊を裏切り、会社からの信頼を失う。
引退後に用意されていたであろう指導者としてのポジションを失った飯塚選手ですが、本人は楽しそうに試合をしていました。
そんな楽しい日々も終わりが訪れます。
2019 2.21 後楽園ホール。
試合終了後、鈴木みのる選手が雑に10カウントを打ち鳴らす。
観客の声援にも、鈴木軍の仲間の声にも答えず。
本当に何も言わずに「アイアンフィンガー」だけを残して飯塚高史はセルリアンブルーのリングから去ってしまいました。
そのアイアンフィンガーをタマ・トンガに奪われた。
タイチ選手からしたら「あってはならない事」です。
封印の儀式 ラダーマッチ
何故か封印されることになったアイアンフィンガー。
リングの中央に吊るされ、それを先に獲得した方が勝者。
勝者となり、自らの手で飯塚選手に引導を渡したいタイチ選手は輝いて見えました。
自分の為ではなく誰かの為に行動するとき、信じられないようなパワーが出る。
それを感じた試合です。
ラダー攻撃でボロボロになりながらも、必死にアイアンフィンガーを奪おうとする姿。
それを全力でサポートするザック選手とDOUKI選手。
ザック選手はエイプシットで頭がマットに刺さる。
DOUKI選手は場外にかけられたラダーにぶん投げられる。
邪道選手の竹刀攻撃を鬼の形相で受け止め、ラダーの頂点を目指します。
BULLETCLUBvs鈴木軍。
お互いにヒールユニットですが全員が鈴木軍の応援。
この日だけはベビーフェイスのタイチ選手がアイアンフィンガーを獲得した瞬間、会場が1つになりました!(家での観戦なので予想ですが)
ここまで感動的な試合は久しぶりです。
それも飯塚選手が感動的なストーリーの主役。
本人不在なのに、ここまで飯塚選手の為に3人は身体を張ってアイアンフィンガーを守りました。
もしかしたら飯塚選手が会場に来てくれるのか?
サプライズを期待しましたが飯塚選手は来てくれませんでした。
自ら語るよりも、みんなに語られる選手。
それが飯塚選手なんです。
本当にお疲れ様でした。
ありがとう飯塚!
そんな感じで。
でわ!